焦燥感や体のムズムズの原因や具体的な症状

自律神経失調症になると、脳の神経伝達物質に異常をきたし、さまざまな疾患が全身に現れることがあります。

中でも焦りや不安感、ムズムズ感に悩まされる方は少なくありません。

「むずむず脚症候群(レストレスレッグ症候群)」もまた自律神経のバランスの狂いが原因の一つであると考えられています。

【1.むずむず脚症候群とは】

脚の奥に気持ち悪い感覚があり、意識するあまりに睡眠障害などを引き起こすむずむず脚症候群。これは感覚的な疾患であり、検査をしても数値的には何も現れないそうです。

具体的な症状として代表的なものに以下のようなものがあります。

1)脚に違和感を感じてむずむずと虫がいるような感覚になる

2)原因がないのに傷みや軽い痒みを感じ、それは皮膚表面ではなく、皮膚下に感じる

3)靴下や布団が脚にあたる感覚が妙に気になる

4)強い焦燥感がある

5)脚部が気になり不安感に襲われる

 

非常に感覚的である症状ですが、当人にとっては正常な精神状態は保てず、睡眠障害になることもあるのがこの症状です。

【2.直接的な原因】

脳人体には無数のセンサーがあり、視覚、聴覚味覚、バランス感覚など以外にも、生きて生活するために多くの情報を処理しています。

全ての時間に全ての情報が必要なわけではなく、例えば睡眠に入る時に多くのセンサーが過敏に作動すると眠れなくなるように、必要な時に必要な情報を感知できるように調整されています。

不必要な情報をブロックするのが「A11」という神経伝達物質であり、これは脳内伝達物質のひとつであるドーパミンが作用して働きます。

A11は中枢神経の興奮と働きを抑制し、必要な時に必要なことにのみ集中するために役立つ神経物質です。

このA11の働きが弱まると、脚に当たる衣類などの柔らかい感覚や微細な痒み、傷みなどに過敏になり睡眠障害や集中力の低下、不安感などから強い焦燥感を感じてしまいます。

【3.自律神経失調症と神経伝達物質】

むずむず脚症候群の原因は脚部にはなく脳の伝達物質だと考えられており、自律神経失調症がそこに大きく関与していると考えられています。

脳内の伝達物質にはセロトニン・ドーパミン・ノルアドレナリンなどがありますが、ストレスにより発症した自律神経失調症が原因で、上記の伝達物質は正常な動きができなくなります。

この時に強く影響が出るのがドーパミンであり、自律神経失調症になると分泌量が低下することがあります。

【まとめ】

自律神経失調症から脚部やその他の部分にむずむずを感じたり、その不安定感から焦燥感を感じる経緯を図式化すると、

自律神経失調症
   ↓
ドーパミンの分泌量低下
   ↓
A11の機能低下
   ↓
むずむず感・焦燥感などの諸症状

といった形になります。

これ自体が「致命的な疾患」、という訳ではありませんが、睡眠障害に発展して生活の質に大きく影響する恐れがあるだけでなく、また新たな疾患への引き金ともなる症状ですので、決して軽く考えられるものではありません。



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